| 「悟空伝」の和訳です |
|---|
|
原文が現代中国語なので訳しています
(作者: 今何在) ここまでたどりついてきた四人、前は密林ばかりで、また行き止まりだ。 「悟空、腹が減ったから、食う物を探しなされ」と、三蔵が、気取って偉そうに岩に座り込み、こう命令した。 「この忙しいのに、自分で探せばいいじゃねえか……ちゃんと足生えいているだろ」と、孫悟空が棒をついてこう言った。 「忙しい?何が忙しいのかね?」 「この夕焼け、美しいと思わないのかい」と、孫悟空は言った、目はまだ空の向こうを眺めていた、「これを見ないと、毎日西へと歩き続けていけるはずがないからな」 「見ていながら探せばいいのではないか、木にさえぶつからぬ限りだわい」 「夕焼けを見るときは他のことは一切しねえからな」 「あれ孫悟空ったら、ハゲをいじめてはならんな、あいつを死なせたら、わしらは西天が見つからん、そうすれば呪いは何時までも解けんのじゃからなあ」と、猪八戒が言った。 「ちぇっ、豚頭が口を出す番じゃねえ!」 「なんじゃと?豚って誰じゃ?!」 「いや、違う、豚頭だ、ぎゃははは……」 「もう一度言ってみなさらんか!」と、猪八戒が馬鍬(まぐわ)をあげて、かかり込もうとしていた。 「何の騒ぎだわい、俺様は寝るから、どっか行きなされ」と、沙悟浄が怒鳴った。 三人の悪漢は睨み付けあっていた。「やれやれ、勝手にしなされ。」と、三蔵が立ち上がり、「まいったのう、わしが食う物を探してこよう、良いのじゃな?いっそわしが妖怪にでも食われたほうが良いのではないか、さすれば泣こうよのう、お前たちは。」 「はやく行けえ、女の妖怪が待っているじゃねえか」と、孫悟空が叫んだ。 「げらげらげら」と、三人の化け物があざ笑っていた。 「もう良い、お前たちには頼まぬのじゃ!」三蔵は、ふり返って拳を振り付け、ほこりを払い、衣(ころも)を整えたりして、林の奥へ歩き始めるやいなや、「ズー」っと衣が引っかかって破れてしまった。 「はははは……」三人のほうは笑うことに夢中すぎて、喧嘩も忘れてしまった。 ここは、変わった植物が生え、何時までもとれることのない霧が立っていた紫色のジャングルであった。奥へ進めば進むほど、足元がしめじめになり、頭が真っ暗になってくるのだった。その挙句、空が枝葉にぎっしりと覆われてしまえば、三蔵もすっかり道に迷った。 「なんという生き生きとした場所なのじゃろう、さまざまな生き物があって」と、三蔵が喜んで言った。 「ありがとう!」と、誰かが答えてくれた。 振り返ると、喋ることのできる木を見た。紫黒色の樹幹に、瞬く両目があった。 「不思議じゃのう、生命たるものは。ちょっと撫でさせなされ、土の中の精霊よ」と、手を伸ばして、いかにも嬉しそうに樹幹を撫でてやった。 紫の液体がいっぱい溢れていた樹幹は、これまで無かったぬるぬるとした感触だった。 その木は、撫でられてとても心地がよく、何万か垂れていた枝まで、その撫でに応じて、ひらひらと揺れ出した。 |